キャッチャー

キャッチャーは数あるポジションでも、もっとも大変なポジションの一つと言われています。

『扇の要』と言われ、ピッチャーのボールを受けるだけではなく、
打順やバッター、その他状況によって内外野問わず、守備位置の指示などをしたりもします。

全体を見渡せる広い視野とピッチャーが安心して投げられる器、
そして、状況に応じた的確な指示とチームを頭脳と精神で引っ張ることが期待されるポジションです。

どうしてもキャッチャーというと、
チームでも大柄な、悪く言えば太い子・・・が指名されるというイメージはもう昔の話であり、
今ではフットワークの良さとボールを怖がらない気持ちの強さで指名されることが増えています。

体を張ってボールを受け止める『キャッチャー』

キャッチャーというポジションは、
ピッチャーの投げるボールを1球1球受け止めるのが第一の仕事です。

どんな速い球でも、ワンバウンドの球でも、後ろに逸らすことは決して許されません。
体のどの部分を使ってでも、受け止める必要があります。
それくらいの強い意志が必要なのです。

ピッチャーに『こいつならどんな球を投げても止めてくれる』という安心感を与えなければなりません。

よって、キャッチャーには、顔を防御するマスク、体を防御するプロテクター、足を防御するレガースと、
あとは安全の為にヘルメットと、4つの道具が守備の際に与えられます。

これらの道具をつけた状態で守ることが義務付けられていますので、
ピッチャーからどんなボールが来ようが体のあらゆる部分を使ってボールを前に落とします。

ボールを前に落とさなければならない理由

何故、前に落とさなければならないかと言えば、
ランナーがいない場合は良いのですが、ひとたび走者が塁に出れば、
キャッチャーがピッチャーの投球を後ろに逸らす度に、走者は進塁することになります。

極端な例を出して言えば、ランナー1塁の場面で、
キャッチャーがピッチャーの投球を後ろに逸らしてしまう度に、
走者は一つ先の塁に進塁するとします。

すると、3回後ろに逸らしたら相手に1点を与えてしまうということになります。
稀な例ですが、少年野球では無い話ではありません。

ヒットを打たれる訳でもなく、ホームランを打たれる訳でもなく、
点を取られてしまうなんて、とても残念なことなのです。

ですから、キャッチャーというポジションは体を張って、
チームを勝利に導くとても重要なポジションと言うことになります。

怖さと不安で敬遠されがちな『キャッチャー』というポジション

さて、そんなキャッチャーですが、
まず最初に持たれる印象としてはやはり『怖い』という印象を持たれる子どもが多いようです。

バッターの後ろに座り、速い球を受けなければならない。
時にはバウンドする球が来て、それを体で止めなければならない。

『バッターが振ったら、上手にボールをミットに納められるだろうか・・・。』
『当たったら痛いだろうな・・・。』

色々な不安があるかと思います。

キャッチャー用のグローブ

しかし、キャッチャーには、
『キャッチャーミット』と呼ばれるキャッチャー専用のグローブがあります。

これは毎回ボールを受けるキャッチャーの手を保護する為、
通常のグローブよりも厚く作られており、骨折や突き指といったケガを防ぐ意味もあると言われています。

ミットを開いた状態では、ピッチャーが投げやすいように的になるような作りになっています。

もっともキャッチャーは必ずキャッチャーミットを使わなければならないかと言えば、
そうでは無く、通常のグローブでプレーしても問題ないことになっています。
まあ、ほとんどがキャッチャーミットを使用していますが。

4つの道具とプラスα

そして、4つのキャッチャー専用の道具を装備し、
プラスαで股間を守るカップ、いわゆる金的を守る道具の5つを装備すれば、
軟式のボールなど、そう怖くはありません。

そこそこに速い球を投げる高学年になっても、
ボールが当たった痛さで苦しむ子どもはあまり見たことはありません。

よくあるのが金的カップを使用せずに、運悪く直撃してしまった場合などは、
子どもと言えども脂汗ものですけどね。

怖さで言えば、余談ですが審判をやるお父さんの方が怖い思いをするでしょう。
何せ、練習試合などでのお手伝いの審判では、マスクだけで行うことがほとんどですから。
高学年の球速になると、結構痛い思いをしたりするものですよ。

ボールがとれるか不安な君へ

さて、最後に『キャッチャーとしてボールが上手に捕れるだろうか?』ということですが、
これはほとんど心配ないでしょう。

よくバッターが空振りしたボールをしっかり捕球出来ない子がいますが、
これは原因として怖さで目をつぶってしまっていると言うことが挙げられます。

まれに、ファウルチップなどでボールの軌道が多少変わることはありますが、
空振りの場合はボールの軌道は変わりません。

よって、考え方としてはキャッチボールと同じで、捕球する場所は変わらないはずです。

しかし、恐怖から目をつぶったり、体が反射的に逃げたりしてしまうことで、
ボールから目を離す原因を作ってしまい、
そのために捕球が上手に出来ずに体に当たったり、後ろにそらしたりしてしまい、
さらに怖くなるという悪循環を生み出してしまいます。

ですから、まずは恐怖心を取り除くことが大切です。

『座って構えた状態で待っていれば、ボールから勝手に入って来てくれるんだ』
というリラックスした気持ちが重要。

焦って自分からボールを捕りに行こうとすると、かえってバッターとの距離が近づいてしまい、
スイングのときにバットにミットを当ててしまう『打撃妨害』というものを生み出してしまったり、
それによって、手や指などにケガをしてしまったりと言うことも起こしてしまいます。

キャッチャーはとにかく慣れろ!と言われることが多いですが、
バッティング練習などでもキャッチャーの練習機会はありますので、
やってみようと思う子がいたら、積極的に練習でキャッチャーをやってみたら、
そのおもしろさにも気づくのではないかと思います。

縁の下の力持ちキャッチャーの魅力

ところでキャッチャーの魅力って何なのでしょうか?

常にマスクを被っているがゆえ、
イケメンであっても顔はアピール出来ないし、
立ったり座ったりも多く、腰や膝への負担も大きく、常に恐怖との戦いという面もありますね。

時にはピッチャーが打たれた原因をキャッチャーのリードの責任にもされる、
辛いポジションでもあります。

ピッチャーの様に三振を奪ってガッツポーズが出来る訳でも無く、
ダイビングでゴロをさばいて、カッコよく一塁へ送球なんて場面もありません。

体を張ってホームを守っても、注目されるのは好返球をした外野手だったりします。

色々と考えても辛いことしか浮かびませんが、
さらによくよく考えてみると、キャッチャーはとても魅力的なポジションだと気付かされます。

①盗塁を阻止したとき

キャッチャーの魅力の一つ目としては、盗塁を刺したときでしょうか。

キャッチャーも見せ場でもある盗塁の阻止。
ピッチャーとの共同作業と言われますが、その役割はキャッチャーの方が大きいでしょう。

特に俊足と言われる走者を刺したときなどは、何食わぬ表情でプレーしていても、
そのキャッチャーのフットワークと肩には皆が注目し、魅了されているものです。

②キャッチャーフライ

二つ目として、キャッチャーフライが挙げられます。

キャッチャーフライというと、空高く上がったフライを落下点まで行き、
ゆっくりと構えて捕球するというイメージを持たれる方も多いでしょうが、少年野球はちょっと違います。

少年野球のキャッチャーフライは、そうそう高く上がるフライはありません。
どちらかというと、4~5m程度フラフラっと上がるフライがほとんどです。

よって、落下点まで走って追いかけるという余裕はありませんので、
数歩移動して、次にはダイビング!といった光景をよく見ます。

ほんとうにギリギリのプレーですので、
捕球できるかできないかという問題ではなく、
そのガッツあるプレーに大きな拍手が送られることが沢山あります。

もちろん捕球できればファインプレーですが、
捕球できずとも敵味方関係なく、大きな声援を受けることが出来ます。

③キャッチャ―独自の目線で試合が楽しめる

そして、三つ目としては、自分の考えや予測を元に、
その検証をしながら試合を楽しめるということでしょう。

少し難しい話になってしまいますが、野球のプレーには一つ一つのプレーに
それぞれのチームの思惑があり、戦術があります。

『ストライクを投げるのか?』
『ボールを投げるのか?』
『盗塁をするのか?』 『ヒットエンドランをするのか?』

そして、『それらの戦術を防ぐためにどうするのか?』といった、
いわゆる駆け引きというものが存在しますが、
キャッチャーはそういった駆け引きの中心に身を置くことが出来るポジションでもあります。

もちろん大まかなサインはそれぞれのチームの監督が出す訳ですから
キャッチャーが独断で出来ることは限られていますが、
少年野球に限って言えば守備側のサインというものはあまり監督からは出ません。

よって、キャッチャーが例えば『盗塁して来そうだな・・・』と、思えば、
単独で外すサインを出すことも出来る訳です。

他にも牽制球なども、
キャッチャーのサインしたタイミングによって投げることも出来ます。

そうした自分のイメージがうまくハマったときの快感というものは、
キャッチャーにしか味わえません。

以上、どちらかというと裏方、縁の下の力、
そうしたポジションと思われがちのキャッチャーですが、上記の様な十分な魅力がキャッチャーにはあるのです。